2015年12月6日日曜日

浣腸の目的と看護技術のポイント

浣腸の目的
 長期にわたる便秘や手術・検査のために、腸内容物の排除や腸重積症整復などの治療の目的で直腸内に薬物を注入することです。よく用いられるのはグリセリン浣腸や高圧浣腸です。
この2つでは、浣腸液を直腸内に注入することで、刺激作用が起こり腸管蠕動の亢進や浸透作用により糞便の軟化・潤滑化が生じ、便を排泄させる働きがあります。

浣腸の看護技術のポイント
 浣腸するにあたり、まず気を配らなくてはいけないのは、プライバシー保護です。肛門部より薬液を注入するので、どうしても臀部を露出しなければなりません。誰でも人に見せたくない部分なので、十分に気を配りましょう。
また、禁忌の場合もあるので、指示を受けた際にもしっかりと確認しましょう。
・禁忌
 悪心・嘔吐、激しい腹痛などで急性腹症が疑われる場合
 血圧変動が激しい場合
 腸管穿孔がある、または疑わる場合
などは禁忌です。注意して下さい。
・浣腸液は40℃くらいのお湯に入れ、体温程度に温めます。
 43℃以上では腸粘膜を損傷させる可能性があり、低すぎると毛細血管が収縮し、血圧上昇や悪寒を起こす場合があります。
・浣腸液を注入するときは、患者を左側臥位にします。
 左側臥位にすることで、体の左側に位置している直腸・S状結腸・下行結腸に浣腸液をうまく流し込むことができます。
・浣腸液が入っているカテーテルは、肛門から6㎝程度まで挿入します。
 5㎝以下では、肛門括約筋を刺激してしまって早く便意を引き起こしてしまいます。
 挿入が長すぎると、S状結腸への移行部の損傷や直腸穿孔の危険があります。
・浣腸液を注入するときは、患者に口呼吸を促します。
 口呼吸をすることで、腹圧がかからずに浣腸液を注入できます。また、患者の受ける不快感を和らげることができます。口呼吸を促した状態でゆっくりと浣腸液を注入します。
・浣腸液注入後は、肛門をトイレットペーパーなどで1~3分程度押さえてから、我慢してから排便を促します。
 注入直後では便が水分を吸収できず、浣腸液のみが排出してしまうからです。
個別に注意しなければいけないことがありますが、以上が大きなポイントになってきます。

 

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